電話を掛けてはダメ!!「サポート詐欺」「迷惑SMS」「自動音声」など電話を掛けさせる詐欺に注意
最近、サポート詐欺が増加しているといわれています。2023年1月には、IPA情報セキュリティ安心相談窓口への月間相談件数が過去最高(※1)となり、情報セキュリティ10大脅威 2023の個人6位に偽警告によるインターネット詐欺(※2)がランクインするという状況です。
※1 https://www.ipa.go.jp/security/anshin/attention/2022/mgdayori20230228.html
※2 https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2023.html
サポート詐欺とは、Webブラウジング中のブラウザの画面上に、マルウェア感染などのセキュリティ警告を表示して、サポートセンターに電話するように誘導するものです。また、セキュリティ警告を出す際に、ブラウザの全画面機能を使ってブラウザのツールバーを非表示にしてブラウザのウィンドウやタブの操作を妨害する、警告音や警告アナウンスなどを鳴らして危機感を煽る、再起動などを行わない様に警告を出す、といった行為を行います。
この様な事態に陥って慌てて表示されているサポートセンターへ電話をしてしまうと以下の様な被害に合うことがあります。
●遠隔操作ソフトウェアのインストールや設定を促される
●有償サポートの契約を迫る
– クレジットカードでの決済
– コンビニで電子マネーのプリペイドカード購入をさせてカード記載のコードを通知させる
●サポートと称して復旧作業のふりをしてPCを遠隔操作する
– インストールさせた遠隔操作ソフトウェアで感染や復旧作業を装う画面を見せる
– コンビニに電子マネーを買いに行かせる間、PCはそのままにするよう指示し、利用者が見ていない間に操作を行う
●契約更新や追加のサポートを勧めてくる
– 断るとキャンセル料の要求や「自宅へ行く」と脅迫されるケースもある
また、筆者が最近遭遇した事例として、電話会社の料金徴収を騙ったSMSと自動音声があります。こちらは、従来のサポート詐欺とは違った電話を使った特殊詐欺の手口です。
筆者は、どちらのケースも無視をしていますが、応対すると、「氏名などの個人情報を聞かれて電話を切られる」、「裁判所に訴えるなどと脅して料金の支払いを迫る」、「口座番号や暗証番号を聞き出そうとする」という行為をしてくるそうで、実際に金銭等の被害に遭われた方もいるようです。
いずれも、不安を煽って冷静な判断をできないような状況に追い込んで、電話口で対応を迫るという点では共通している犯罪行為です。
対策について述べていきます。
前述のウイルス感染などの警告画面を出すサポート詐欺の場合は、警告画面が全画面表示されて他の操作ができなくなるケースが多いですが、冷静にまずは「ESCキー」を押して下さい。多くの場合は、そこで、ブラウザの全画面表示が解除されブラウザの終了をすることができると思います。もしくは、「Windowsキー」や「Ctrl+Alt+Deleteキー」を押してPC自体の再起動をすることで解決できると思います。
最近は、ブラウザのService Workerのブラウザのタブを閉じていてもPCの画面上に通知の画面を出す機能を悪用して、延々とウイルス感染警告の通知を出すケースもあるようです。(※)この様な場合も決して電話したり、通知をクリックしたりせずに、正規メーカーや販売店などに相談するようにして下さい。
※Service Workerの通知機能を有効にするためのCAPTCHAの偽画面については、「自治体の偽サイトにご用心!~検索サイトの上位に多くの自治体の偽サイトが表示された件について~」をご確認下さい。
https://www.securebrain.co.jp/blog/2022/0701/
また、警告画面やSMSで通知された電話番号をインターネットで検索をしてみることも対策になります。迷惑電話の電話番号として紹介されているケースもありますし、調べた結果で正規のサービスであることが判明しない番号には掛けない方が賢明です。電話がかかってくるケースに関しても、知らない番号や非通知の電話には出ずに、番号がわかる場合は、電話番号をインターネットで検索してみることをおすすめします。
サポート詐欺やこの様な特殊詐欺の最も適切な方法は、電話を掛けない(出ない)ことです。メールやSMSのリンクだけでなく、電話番号にも気をつけることで安全にインターネットをご利用下さい。
これらの被害に遭われた場合は、最寄りの警察署や消費者生活センター等にご相談下さい。